「蝶々」/菊尾
 
注ぐ姿が暖かいのは
優しさが含まれているから
うつむいた視線の先に
想いが溶けこんでいる

蜃気楼みたいに遠くに居るのに
不思議と寂しくない
それは確認できるから
見える範囲で佇む君は
楽にした結果でしょう

形は変わりながらも
魂は洗練されていく
あやすように針は進むのだから
それを悲しむ必要なんてないんだよ

目眩がするほどの季節に包まれて
僕らは再生されていく
首筋が開かれて
身軽になって
果ての続きを探索するため手を繋ぐ

わずらうように
縺れ合いながらも飛行する
くるったように
止められずに上昇していく

それは
蝶のように舞っている

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