魔女たち/いねむり猫
っている
気ままな魔女たちは 自分の孤独を気にすることもなく
青いガラス瓶の中に 虜にした男達のまなざしを閉じ込めて
忘れてしまう
だから 魔女たちは 己を伝え 伝承することができない
そしてときに 香り高い万能の秘薬を調合できても
それを自分だけのために 孤独な儀式の中で 使い切ってしまう
だから 魔女たちは
己の中の深紅の獣を 飼い慣らすことに失敗し続けている
それでも魔女の系譜が途切れることはない
光を浴びて輝く水しぶきに笑い転げ
風にゆれる木の葉を憂い込めて見つめる
幼い魔女の弟子たちは 生まれついてから すでに魔女なのだから
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