Stoned in Cairns/クリ
んな時間が経っているのに、そうだろ?と。 彼の目尻に涙が浮かんでいた。そしてグビッ。
実は、僕の目にもちょっとだけ涙が浮いていた。だってこの「外人」のじじいが、よりによってこの陽音階と韻音階の交雑した、純日本的なそれでいてエキゾチックなこんな歌を歌うか? 僕は照れ隠しにコークをグビッ。
彼は僕の肩をパンパンと叩いて立ち上がる。See ya, Have a Nice Tripと。フラフラ。そう、彼は始終小瓶のビールを飲み続けていた。アル中らしい。臭くて堪らなかった。
僕はほとんど動けなかった。でも、何か言わなくては、とは感じていた。「ヘイ、マーン」 何て言おう。…。
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