Stoned in Cairns/クリ
れこれ褒めていたら、「自宅にもっと自信のある作品を置いてあるが、見て欲しい」と言われた。晩稲(おくて)の僕は、これから約束がある、と辞退した。すると彼女は、夜は飲み屋で働いているから、ぜひ来てくれ、と言う。メモを渡された。ほんとに気に入られたのだろうか…。僕はそそくさと「See ya」と言って別れた。「ほんまかいな」「日本人だから金持ってると思ってるんだろうな、それだけだよな」「いや、彼女は僕の感性を感じ取ったんだ、それしかない」「騙されるなって」と、僕の頭の中では天使と悪魔とが闘った。
さて、東京で言うと多摩センターみたいな感じの街角でちょうど腹がへった僕は、店でハンバーガーとコー
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