花と指/木立 悟
 
の名前の流れのなかから
ある日ひとつの花に触れる
こぼれんばかりの
名の無い指


砕き 砕かれ
なおつながるものはそこにある
気づかぬうちにつながり こだまし
震えるものはそこにある


定めなき色の奔流を
ひとつのかたちに集めたように
小さく淡く 名を失くしつつ
指を伝う花のたかまり
花に沈む 指のはじまり
















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