幸せが飽和してゆく/
ウデラコウ
あれから 何度か喧嘩をして 何度か泣き疲れて
あれから 数え切れないほど 愛して 愛されて
たくさんの 新しいものと 出会った
ゆっくりと でも確かに それは満ちて
君の その白い指が わたしの線をなぞるたびに
静かに 爆ぜては また空へ上っていく
それは まぎれもない しあわせという かたち
唯一この世で君だけが 作り出せる かたち
わたしは その姿に 陶酔しながら
静かに 幸せが 飽和してゆく音を聴いていた
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