なだれ/川口 掌
好きだよ 君の言葉が空っぽの心を満たしていく
でも間に合わない
この乾ききった星は潤うはずの心を何処までも吸収し還元する
サイクルが足りない
駆け足で通り過ぎる日常を横目に僕の時間が取り残される
十二月の風は
あの山の頂から枯葉をまとい街の真ん中を駆け抜ける
白く濁った息を吐き出しながら
街の者は風を嫌い玄関のドアを閉ざした
閉ざされる事は心と体を一つにまとめ
あちらとこちらを二分化する
次第に明かりの灯り始めた窓の内側
今から目を逸らし画面を見つめる虚ろな瞳の冬支度
崩れ始めた昨日と
固まる事の無い明日
の狭間で怯える瞳は水の中へ
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