宝石は暗い影を持つ/AKiHiCo
 
あなたは
接吻も拒む事なく受け入れ
体をよじらせて

何故でしょう
その瞳には光が宿っていません
虚空を睨み付ける眼は鰯

あなたが僕に笑顔で接するので
思わず笑みを作ってしまうのです
あの男性は誰なのか
気になって何も手につきません
訊ける筈もなく

あなたはいつものように
僕に優しく振る舞いますが
僕は見てしまいました
知ってしまったのです
あの男性は一体、

あなたは誰よりも美しい宝石
僕の僕だけの宝石
そうであるべきなのです

あの時の光景はきっと幻
本当はあの男性など居やしない

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