宝石は暗い影を持つ/AKiHiCo
あなたは
接吻も拒む事なく受け入れ
体をよじらせて
何故でしょう
その瞳には光が宿っていません
虚空を睨み付ける眼は鰯
あなたが僕に笑顔で接するので
思わず笑みを作ってしまうのです
あの男性は誰なのか
気になって何も手につきません
訊ける筈もなく
あなたはいつものように
僕に優しく振る舞いますが
僕は見てしまいました
知ってしまったのです
あの男性は一体、
あなたは誰よりも美しい宝石
僕の僕だけの宝石
そうであるべきなのです
あの時の光景はきっと幻
本当はあの男性など居やしない
戻る 編 削 Point(2)