受動パラレル/黒川排除 (oldsoup)
心臓の裏から散る紙吹雪赤
時差で今発煙筒を挙げている
刺した画鋲の並行世界で画鋲抜く
引き裂く手の感覚思う丘の上
人魂がある草原はずっと青
何を思えば月のように浮かんでいられるのか
奥から濡れだす洞窟幼い頃の頬摺り
屋根の斜めに切り立ちつつある大遊び
ここらの土濡れて湯気立ち永き石の萼
応接間ひとの息で吹き改める
枕元に雪の穴 光る灰漂う
口裏にあぎと置かれて糧蝕む
羽毛おどる路上に紙丸めて置く子
機械の流す血をわたくしらの背景とす
三日月二つが一つの夜に零を示す
森の芯黒き円柱の痛みを覚え
膨らむ肺廃墟の向こうの空気減る
乙女の灰の首電線が隠している
寝室の一個のメロンと化し誰か
高鳴りを口述して断つ男の音信
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