空の破片/時雨
 
ある人はそれを「雨」だと言った。

またある人はそれを「雪」だといったし、

偉い学者は「塵の一種」だと力説した。



ある日細かいものが降ってきた。

パラパラと人が気づくかどうか分からないくらい微妙に。

ある日細かいものが降ってきた。



それは、時々思い出したように、

僕たちに忠告するように、

ゆったり、ゆったり、振り続けるのだ。



それはほんとに細かすぎて、

研究者は頭をひねって、

顕微鏡を覗き込む。





答えは出なかった。





これから何十年、何百年、

もしかしたら、何千年
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