題名のない詩/桜 葉一
す
ドアを閉め鍵をかけチェーンをかける
乾いた喉を潤すためキッチンへと走り蛇口をひねった
グラスに並々と注がれた水を一気に飲み干す
グラスについた真っ赤な血を見て ふと思い出し洗面所へ走った
手を洗った なかなかとれない血を何度も何度も洗った
鏡を見ると顔にも真っ赤な血はついていた
誰だか分からないほど真っ赤だった
顔の皮が剥がれてしまいそうなくらい洗った
どんどん綺麗になっていく顔
いつもの自分の顔がそこにあった
そして思い出した
あぁ……アレは僕か
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