雪の結晶/狩心
わたし知らない
あなたの海を
(わたしは知らない)
四季のない南国で生まれたことを
(どんな人間も知っているのに)
銃口を突きつけられたら 黙ってしまうことを
(どんな人間も知っていながら)
知らない振りをするのにあなたは
(震えるわたしの手を取って)
(撃たれて、血みどろになって)
一言も喋らずに
冬の雫が落ちることを
おしえてくれた
(乾季に)
(ワニが小さな池で)
ぶくぶくすることを
おしえてくれた
おとぎ話はお風呂の中で消える・・・
(見つめ合えないままに・・・)
体をそっと、寄せ合うんだって
(小さな吐息を閉じ込めた・・・)
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