永遠の懐胎/鈴木
 
いに視界が塞がれてしまった。
「しばらくこうしていようか」
 どちらとなく発した言葉と共にまどろんだ僕は、数々の夢を巡ってまたここへ帰ってくることもあるだろうと思った。
 僕は右耳を食いちぎられて、欲しいのは純粋な酸素で、睡蓮になりたくて、毎日同じことをして、ときに知ったかぶりをして、だらだら惰眠を貪って、口承をほとんど覚えていて、毛のない羊に噛み付いて、神の逆鱗に触れて消し飛んで、嘔吐にひたすら喜んで、さびた自転車で天国へ昇って、太陽になりたい。
鳴っている。含まれている。僕は続いていく。
 アイビー、君の中で。

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