蹈鞴川/
るか
海を呼ぶ人よ
そんなにかなしい
口笛をやめよ。
おまえが帰る背に
遣りきれぬ靴の
重量があり
踏みしだかれた苦汁が
世界という叫びを
郷愁へ
突き落すから。
妹よ われら、
時代の絶景をくぐり
今日、
深く犯されたおまえの傍らで
忘れられた詩行を
何遍も何遍も
囁くだろう、
雪は海に降る
雪は海に降る、
(穏やかな沈黙の椅子に、
しろかねの涙、ながれ
そこに私はいない、
ある 麗らかな
日没の
風景である、)
戻る
編
削
Point
(7)