あなたという、/山中 烏流
 
ように
 
あなたの海を広げて
そこが始まりであることを
告げるように
 
 
あなたに映る私が
限りなく、私と
違うと良い
 
強いて言えば
最初から、
映らない方が良い
 
欲しがる前に、
唄を下さい
 
 
私はいずれ
別のひとになる
その足跡の全てに
きっと、あなたはいる
 
それでも決して
振り向きはしない
その時は、もう
あなたにとって私は
私ではないのだから
 
 
あなたの唄を紡いで
早く、早く
目覚めるように
 
あなたの音を聞かせて
そこに何もないことを
確かめるように
 

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