紅葉/山中 烏流
 
、限りなく
自慰に等しくあることも
また同じく
知ることなのだろう
 
、多分
 
 
触れようとして
弾かれた手のひらは
 
戻れない、裏付け
なのだろうか
 
 
瞼が火照る頃になり
気付くと私は
一回り大きな影で
芝生を踏みつけていた
 
その足元は
何一つ変わらないようで
何もかもが違うのだろう
泳がせた視線の先で、
紅葉色が揺れる
 
 
目を閉じた刹那、頬が
 
少し
紅く染まった。
戻る   Point(1)