キシキルリルラケが乙女に唄ふ唄/佐々宝砂
 
ぬばたまの闇の髪持てる乙女よ
汝が思ひ出の道をたどれ
我が元に来たれ我が元に戻れ
汝に相応しき唯一つの生を求めよ

漆黒の夜の瞳持てる乙女よ
我が娘らと楽しき鳥屋に宿れ
我が娘らと唄ひ踊れ
汝が美しき姿態を我が眼にとどめよ

我が娘らと地に愛をもたらし
ひたすらに笑ひさざめき
地を這ふ鈍色の人らに愉悦を

常の人とあらば汝を襲ふ木枯らし
されど我と来たりなば汝が頬は燦めき
麗しきまゝ過ごさん幾歳月を
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