暗闇の色味を塗り分ける(決して塗り潰すものではなく)/ホロウ・シカエルボク
 
まどこかへ返されるのみだぜ
朝が来るまでには暗闇の中で覚えたことはすべて忘れるんだ
記憶することが大切なんじゃない
それが一度身体の中を通り抜けたかどうかということが大事なんだ
窓を開ける前にそのことについて考えなくてはならない
太陽と月の間には入れ替わるものが必ずある

正しく話すことは出来るか
正しく伝えることは出来るか
宣教師の様に愚直に
アジテイターの様に下世話に
内側でぐずぐずと錆びていくものたちを
白日の下に吐き出すことが出来るか
飲み込んだものを吐き出すことは
痛みを知る上では必要なことだ
痛みを知ることが出来なければ



すべての昼と夜はきっとごみ箱に頬り投げられて終わるだけになってしまうんだぜ



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