優しき人/三奈
たようだけど
それでも彼女を嫌いだと思った事がないのは
彼女の中の優しさが好きだったから
(私の身体にある悪をすべて打ち消して)
(痛いくらいの優しさで満たした)
(そんな人間になりたいと願ってた、ずっと。)
人間では、成し遂げられない理想を掲げていた私
人間らしい優しさを持っていた彼女
私は素直じゃないから
こんな事口がさけてもいえなかったけど
優しさに憧れていたのは事実
また、桜が咲いて春が来て
もし、思い出話のついでにこの思いを打ち明けたら
どんな表情をして聞いてくれる?
どうか、逸らさないで、
ちっぽけな事実を受けいれて
照れたように笑ってほしい
最初の頃のように
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