亀/
城之崎二手次郎
ハマグリは濡れた唇で亀を誘う。亀は最深部を見てやろうと、ハマグリの口の中へ頭を突っ込む。深く、首の根元まで。ハマグリは潮を吹き出す。亀は力の限り、ぐいぐいと首を伸ばす。たまらずハマグリが亀の首を強く締め付ける。苦しくなった亀は、膨れ上がった頭からドロリとした液体を吐き出す。視界が悪くなり、撤退する。ハマグリは心地よい痺れを感じる。亀はハマグリを見つめながら、次こそは奥まで見てやろうと意気込む。
あとがき。
二〇〇字物語第十四弾。
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