逃避者たちに捧ぐ/松本 卓也
さに泣いてみせる演技に
共感とやらを覚える輩
爪弾かれる理由は感性が豊かだからと
言い聞かせながら似たもの同士の馴れ合いで
自分は特別だと勘違いする滑稽さ
一度鏡で見てみれば良い
その醜い泣き真似に嘔吐したくもなるだろう
耐える事を忘れた自称詩人達よ
人と社会に塗れて滲んだ傷痕を
隠すことなく晒して見せればいい
感傷に迎合して吐いた雷同なぞ
生きる事を何一つ補強しやしない
共感する余裕も口答えする暇もありゃしない
目に映る褪せた生き様こそが唯一じゃないか
歯を食いしばり地べたを這い
泥とゴミと血と汗に塗れながら
汚らしい現状を書き換える新たな設計書
一枚でも書き上げてみせろよ
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