処女雪/
森さかな
くは掴もうと腕をのばしたのに、
こぼれてしまう
きみは無垢な体が冷えないように抱きしめたね
それでも風は吹いたよ
白いかなしみすら
奪いとったよ
いつか、ここから逃げるだろうか
わからない
壁に囲まれたどこかで
猫が鳴いた
それは反響しながら
消えるから悼むこともできずに
冬の街を冴え冴えと月がみてる
寒い
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