傾きを求めてごらんよ/森さかな
 
 
 
あなたの
佇む公園で私が踏みにじったのは
黄色い無垢の花
 
音をたてて
壊れてしまう夕日に
眩むよう
 
 
 
 
なにもなかったみたく笑って
もたれかかる
黒いタイツを履いた足の
 
脆弱は
まだ、花ではなかったころの名残だろう
 
 
だれもいない公園の隅でブランコは
だから、
振り子のように揺れはしなくて
 
貪欲な私は
睫を繊細に扱いながら
あなたを漠然と抱きしめてみるのだ
 
 
 
 
ただ、欲っしてしまうだけだから
見えなくなってしまう
 
 
あの無垢の名を
はりついた花片のかなしみ
 
 
 
(ここがどこで
私はどこへ行くのか)
 
 
 
 
この刹那が あまりにも空虚でしょう
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