僕より頭悪い人っているんですかね。/青木龍一郎
【茄子をグチャグチャにしながら】
僕の詩を書きたいって気持ちだけで少なくとも、琵琶湖は埋め尽くせると思う。
そして、その水面下で凍えるように気持ちは疼いている。
コンプレックスって洗剤で洗い流せるんですかね。
それは僕を消すことになるだろう。
【詩を書きながら】
なんだろう。鼓動がドクンドクンしている。
僕の心の中にシャットダウンされてしまっていた情熱とか
なんか綺麗なものに対するインスピレーションとかそういうものだろうか。
それらは少し昔に凍り付いて動かなくなってしまった。
だとしたら僕はなんてガタガタの鍵なんだろう。
僕が鍵だとしたら、ビニール傘についている部品をガチャガチャしただけで簡単に開いてしまうんだろう?
僕は震えている。
僕の情熱は少し前に君に奪われてしまった。
自明性が冬眠しているよ。
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