餓鬼を切り刻め/ホロウ・シカエルボク
今度は許さない、殺し損ねた俺自身の
殺し損ねた俺自身の中の餓鬼
やたら飢えて、やたら喰い散らかす、喰い損ねたもののことをいつまでも話す
やつの喰い残したものが喉元まで上がってきて俺自身の消化を妨げる
今度ばかりは許さない、不確実な要素のままで分離した俺自身
神に見放されたヒルコのように胃袋にしぶとく
胃袋にしぶとく吸い付いてしまったある種の俺
その俺の吐く息が誰も彼もを俺から遠ざけようとしている、一度目をやり損ねたら
とことん、断層は深くなるばかりだぜ
それは誰かを喰らうために大きく開けられたままの巨人の口のようだ、そうだ
世界には際限なく餓鬼が潜んでいやがる、俺の
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