シン/風季
 
いように私は心だけになり
弱い声で電話を架ける
黒い手袋が雪に好かれている
誰かが気付いた
誰もが気付いた


 さ け ぶ あ の こ

包まれたがっていた
ここへおいで

君は私ではないのだから
わかる表情で迷うのではなくて
わかりきった足取りで迷路を抜け
現れずに駆けてきて私に浸透する

すべり
つまづきすべり
つまづき
ぶつかりはじけて
どちらかが
どちらでも

あたたかい
ただ、あたたかい
とうとう君の外側になった

終点の空に目を開く
指の付け根から眩暈がほんのすこしあふれた

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