断片的回想/
宇宙
揺られながら
看護婦はキャバクラ嬢への転職を決意する
独裁者たちは気の向くまま
喧騒と嬌声の空爆を繰り返す
アウシュヴィッツの蜂の巣で
ヴェーダの響きを鼓膜に押し当てる
乳房の先端が瞼に触れて
シヴァ神の微笑が瞳を支配する
交差点の明滅する信号機の下で
左右の頬が鈍く振動し
コンタクトレンズが赤を映して飛び散る
『ツァラトゥストラはかく語りき』を
一葉ずつ切り裂きながら
山谷の教会で讃美歌を歌う
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