水色/大覚アキラ
 
おれはきっと
あんたが死んでも
泣いたりなんかしないし
この先二度と
あんたに会えないとしても
たぶん平気だ





たぶん ね





実際のところ
ほとんどの関係性は
その程度の濃度でしかないと
誰もが薄々は
気づいているのかもしれない





さびしいな
素晴らしくさびしいよ
この澄み切った世界





死ぬのが怖いんじゃないの
わたしが死んだあとに
みんながわたしのことを
忘れてしまうのが怖いの






彼女は言った





なにもかも置き去りにして
痛いほど
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