かえりみち/パンダコッタ
遠くでサイレンが聞こえる
緑化の葉が落ちていく
スロープしていく道も
高架下のグラフィティアートも
下校する女子高生たちも
出口のない夕暮れに染まり
その残光は誰の瞳にも吸い込まれ
秋空と同じように燃やされていく
封切られたばかりの映画
君とみた帰り
君が捨てた
トレンチコートに入ってたレシートは
何かを満たした残りカスで
街を型ぬく影もそれと
同じように寝転がっている
遠くでサイレンが聞こえる
いつか見た夢のように
この街を囲みたい
輸入雑貨のモダンさのように
多年草が枯れていく
その意識を包み込む
君の後ろについていく
その光景を包み込む
歩くスピードあげていく
その距離を包み込む
手をつなぐ
遠くでサイレンが聞こえる
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