ねこのはなし/
恋月 ぴの
てはじめて気付くものなのかな
それでも
いまの暮らしだって捨てがたいものがある
ひとり気ままだし
あのひとの訪れをひたすら待つこともなくなったし
ねこって可愛い
冷たい北風の吹く夜空を仰げば
きれいすぎるくらいに星は瞬いていて
別れたひとの温もり恋しくて仕方ないのに
土管のなかでくるり丸くなり
ひとり
編みかけのマフラーなんか首に巻いて
メリークリスマス
もうすぐそんな季節だよ
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