光/運動/サトリイハ
1.
硬質で透明な液体に浸されて浮かんでは沈む体、ぼやけて視える太陽は遠いだけで優しくなんかないから目を凝らす。透明な膜の彼方に遠い光のまるが、小さいまんまるが徐々に膨らんで垂れてゆくどろりは、あたしが浮かんでいる液体へ近づくにつれて重さを増してゆっくりになる。重たくなった光の粘体は液体の表面に辿り着くと、さらにゆっくりと仰向けのあたしの横を通り過ぎ、沈んでゆき、徐々に光を失い暗い引力となり、液体を飲み込む暗い唇になるのだろう、目をつむり背中に感じる唇の温度、暗い温度。あたしは呼吸し循環する液体であり液体を呼吸し循環するあたしの流れる、の動き、揺れる。
目をあけると光は視界を覆うほどに大き
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