あかい頬/森さかな
 
 
 
 
光る校舎で
 
 
囁いたわたしたちは
 
 
数年経てば紺色だった影の記憶すら
 
 
なくなってしまうのを知っているから
 
 
こんなにも微笑んでしまう
 
 
さよならを促す音色を聞き流しながら
 
 
細い指でどこかにある
 
 
トキの輪郭を
 
 
さがしているの
 
 
 
うすい透明化した皮にある
 
 
したたるような、少女
 
 
 
 
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