水色のそら/千波 一也
 


 ほほえむことを
 天国と呼ぶために
 それが壊れてしまわぬように

 たとえばまことの綺麗な器は
 つくりて冥利(みょうり)に尽きるもの

 残念なことは
 せめられ上手に落ち着いたこと
 教わり過ぎた子孫のわたし


しあわせというものを
よく知らない、ほんとうは

敢(あ)えて恥じらうこともなく
水色のそらを眺めている

溶けてゆくように
わたしは
眺めている





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