プラネタリウム/藤原有絵
 
君が爪弾いたギターから
粗野な音がばらまかれて
僕の部屋の天井に沁みを作る


それらは光をうけて
くすくすと輝きながら
一つずつゆっくりと
確かに覚醒してゆく


指先で繋げてやると
ほら 物語だ
吹き込まれるのを
今か今かと待ちわびている


声無き光が降り注ぎ
四角い部屋の沈黙を満たして
そこはまるで
プラネタリウム


指先の伸びやかなレタッチで
ほら 帚星
何処までも時間をかけて
笑いながらはしってゆく





戻る   Point(3)