ホワイ/ホロウ・シカエルボク
 

うち捨てられた折りたたみ式の自転車の物陰、ワンボックスの小さな冷蔵庫の扉の内側…連綿と続くものたちはその中で生きていた、へ、へへへと俺は水の中で笑った
死なないのだ、死なないのだ、こいつらは死なないのだ…今すぐには、少なくとも今すぐには死ぬ事は無い…仰向けに戻って俺は大笑いした、そいつは嬉しいと言うよりは爽快な出来事だった、毒を食っても生きられるのは俺たちだけじゃないんだ
やつらだって見つめているのだ、進化の理由を、変化の訳を―誰かが俺の腕をつかみ、厳しい声で何かを言った、数人の男が俺の回りに居るようだった、俺は引き上げられ―こっぴどく叱られた―一応タオルは渡してくれたけど
俺は、ほんの少しも身体を拭こうとはしなかった
なぜあんなことをした?と警官のひとりが尋ねた、なぜ?と俺は聞き返した




なぜだろう



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