放る/九谷夏紀
少しでもいいから綴っていこうと思う
一日10分でもいい、一文でも
誰に気兼ねするもことない ひとりあそび
試している
私の内臓を放ってみている
楽である
内臓を気に病む事がなくなった、つまり悩み事が減ったのだと、言えるはずだ
私の体はからっぽで脳だけがぐるぐるしている
私の内臓を放って
このままからっぽのまま、ずっと生きていけるんだろうか
放ったものの代わりには何かが生まれてくるんだろうか
放ったもののことは忘れてすこやかに暮らせるんだろうか
放ったものをいつかいとおしく取り戻しに行くという予感は愚かさからか希望からか
内臓を放
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