彼は別れ、変われる。/木屋 亞万
 
タ、コレカラモガンバッテクダサイってなってるんだけど、せっかく思考が出来るなら、ね。
 とか何とか言ってる間に、もう時が来てしまった。最後に一言だけ、
「君は変われる、もっと、絶対に」


僕が見えなくなっても空気のように、君をいつも見守っている。何か気持ち悪いと思うかもしれないけど、大丈夫。僕にはもう器官は無い。ただ記憶の蓄積が、固まって漂っているに過ぎない。でも忘れないよ。主観は残ってる、思いはずっとある。君の近くを風に巻かれて、君の気持ちをたまに感じるくらいさ。
君は変われる、もっと。絶対に同じ日は無い。君はもう変わっている。昨日いた僕は今日君には見えない。君の環境は変わった。だから今こそ、君も変われ



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