冬便り/銀猫
きみに会いに行く
本当だった
列車に飛び乗ること
それも盲目ではなくて。
灰色の雨に流され
こころの小石が転がる
舞い散った落ち葉を踏みしめる音は
きみの泣く声に似ているから
意地悪が嬉しくて
何度も踵に力を込めた
凍え始めた地面には
手に入れなかったものが少しずつ
降り積もっている
きみが遠くでしあわせになり
ひとりが嘘でなくなったら
きっと白い冬が来る
かじかんだ手のひらひとつ
ポケットでおよぐ
寂しさと呼ばないのは
(いつか)
魔法の言葉のように
(いつか)
があるから
、ある、
から
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