フリーダム/アーキテクチャ/nm6
フリーダム。
自由は、雨あがりの蛍光灯にぼんやりとしている。
*
コツコツする足音、地下鉄のホーム。に、つるり鮮やかな緑色の椅子立ち並ぶミニマルな夜は、終電の少し前に酔ったような光が湿気のせいでフリーダム。明るさTO明るさ同士がぶつかりバラバラとひとかたまりにざわめく、青く青く日曜日の表参道のように迫る。フリーダム!連重なって畳み掛ける複数の会話の総体として耳中にフェイドイン徐々に、近づいてくる足音だけ大きく、ある跡がここに焼きつく。夜が酔いどれている。
通り過ぎるひとの眼鏡が蛍光灯を吸い込んで、ぼくらにさらけて映す。
それは遠くをはっきりと見るための道具だ。
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