たびのゆくすえ。/智鶴
 
どこか遠くへ行こうと思う

カバンも財布も何も持たずに

此処が何処かも分からないまま


歩いて
歩いて
歩き疲れて

行き着いた場所が
静かな村であるといい

小さな教会があるといい


そして
その村に骨を埋めよう

古い教会に跪いて
指先の嘘を捨て
手に入らない理想を嘆こう


涙を一粒でも流せればいい



其処が何処かも分からないまま

自分の居場所すら、
掴めないままで。

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