たびのゆくすえ。/
智鶴
どこか遠くへ行こうと思う
カバンも財布も何も持たずに
此処が何処かも分からないまま
歩いて
歩いて
歩き疲れて
行き着いた場所が
静かな村であるといい
小さな教会があるといい
そして
その村に骨を埋めよう
古い教会に跪いて
指先の嘘を捨て
手に入らない理想を嘆こう
涙を一粒でも流せればいい
其処が何処かも分からないまま
自分の居場所すら、
掴めないままで。
戻る
編
削
Point
(1)