ゲームオーバー/蒼依
はじめから分かっていた結末を
予定通りに迎えただけのこと
何も始まらずに 何も終わらずに
それが自分で拾い上げた唯一の答えだった
隣にいつもいるあの人を羨ましく思う気持ちを
憧れと差し替えて抑えていた
それでもこのくすぶった気持ちに敏感に気づくあの人は
あたしの糸を縺れさせようとした
ただただ笑顔で何も気づいてない振りを
いつも機嫌よく笑っているあたしを
何枚も何枚も重ね合わせて繕っていた
そうしていれば いつのまにか
あなたはここを去っていって
いつのまにか 出会うこともなくなって
いつのまにか 忘れていく存在になる
自分で拾い上げた
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