今 一つの詩は/アハウ
雨を宿して
ポテンシャルある 静寂
また 再び 灰の日
風のない時に
覆いをかけた
雲は空に浮かんでいる
そして 液化燃料の燃えかすは
そっと 灰を地上に降らした
午後の喫煙喫茶は
なぜか寂しげに過ぎて
読み止しの本に
しおりをおいて閉じる
何もない 水平な
無為の時に
タバコに火が点けられると
その詩はやって来る
静かにもたれ 吸い込む
そんな 時 やって来る
心は怯えたように 震えて
ノートの余白に
ボールペンは走り
コップの水は息に揺れ
輝き
一つ 一つの単語は
結び合い語群は
魂の動きに従い
成立し
また 一つ 一つ
白いノートに色彩は溢れ
花が咲き
今
詩は生まれた
戻る 編 削 Point(1)