不在/
カンチェルスキス
こんなにもまっすぐ前が見えて
とにかく死にそうだ
街路樹の下に落ちた影が
決められてもいないのに
光を失う
道の先で
郵便配達夫が方向転換する
それを見てるのは誰だ
一人しかいないし
認めた次の瞬間には
誰もいない
不在が通りゆく
鉄工所の駐車場
遺留品のようなトラックの後輪タイヤ
水分のない砂利
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