りんごの詩/恋月 ぴの
 
りんごにも大きな被害出たらしい
白い帽子に震えるりんごたち
かわいそすぎる気がする

そうなんだよね
お母さんの作ってくれたおにぎりと一緒なのかな

つくるひとの思いがこもった
りんご
テーブルの上にまだひとつ残っている

手に取って良く見てみれば
ちょっとそっくり返っているようで
ちょっと誇らしげそうな横顔がつやつやで

そんなりんごを
ひとくちかじってみれば
なつかしさが涙腺にいたずらでもしたのか

ほろり涙は頬をつたって






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