黄昏、あれは/
石瀬琳々
黄昏、あれは
樹陰(じゅいん)に眠るあなた
穏やかな目鼻立ちに
風が吹きすぎる
私はそれを眺めるだけの
かげり
を知っていたでしょうか
思い出、それは
静かに踊るほつれ毛
微笑む瞳に
雲が流れてゆく
僕はじっと見つめるだけで
ひかり
を感じていただろうか
陥る罠に
閉じ込められている
黄昏、ガラス体のやさしい涙
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