本物のパントマイムはよく出来た嘘に過ぎない/ホロウ・シカエルボク
底に垂らしてみた
よく判らないがちょっとした洒落になるんじゃないかと思って
オイルの量が多過ぎて蟻は溺れた、ああ可哀相に、俺はそれを自分の罪だと認めることはしなかった、もとはと言えばコーヒー・カップなんぞに
のこのこ落ち込んでくるこいつが悪いのだ、いくら、いい匂いがするからって
いくら上等の豆を使って入れたコーヒーだからって
さて、蟻は溺れた、俺は手持ち無沙汰になって
水を張ったオイルランプに死体を移した、オイルを足してスイッチを入れると
それはそれは上等なムードの密葬に見えたぜ
間抜けな蟻の魂はかくして香しい天国へと導かれ
そして新たな覚醒とともにやつは叫ぶだろう、「熱い!熱い
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