本物のパントマイムはよく出来た嘘に過ぎない/ホロウ・シカエルボク
飲み干したカップの中、いつのまにか
紛れ込んだ蟻のリングワンデルング
嗅ぎ回り、手を伸ばし、無機質だけどリアルに
生を体現していたその稚拙さ
単純になりたいと思った、刹那だけ
求めるだけでいい単純なものに
でも、それはちょっとした気まぐれみたいなもんなのさ、偏屈でナーヴァスなこの入物を愛してる
割りに暖かい日で、厚く着ていた俺は臍を曲げて
日が暮れて寒くなっても薄着で過ごしたのさ、半時間ほど前からかすかに咳き込んでるけど
別にだからって風邪を引いたって結論には至らない
それはちょっとした気まぐれみたいなもんなのさ
ふと思いついて、ティートリー・オイルをカップの底に
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