重力と質量と隠喩について/rabbitfighter
心としての造物主があったとして、それらの天体は造物主に抗い、自らを宇宙の中心に据えようとする、強く、美しい存在。
ここにまたひとつの空間があり、それを舞台と呼ぶなら、その中で最大の質量を持つのは役者と呼ばれる人間であり、彼らは各々の質量を持って舞台に上がる。台詞と、動作によって彼らは、宇宙に浮かぶ惑星のように引力を持つ。ところで私は、隠喩について語らなければならない。宇宙の初期に満ちていた粒子は隠喩である。それらは過去、現在、未来においても可能性として真空に満ちている。隠喩とはつまり可能性を示す粒子で、舞台では声を持たない出演者たちが体現する。つまりそれらは物語の過去、現在、未来において、そうであった、そうである、そうであろう声であり、運命を司る造物主に対して向けられた無言の民衆の眼差しである。
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