風騒(5)/信天翁
 
            味気ない庭に
       晩秋はしのびこんでくる
   柿の木の落ち葉と連れ立って---
      そよとのかぜに対応しつつ
  止まり木からとびたつ野鳥のように
       わくらばは帰郷するのだ
あゝ ミューズののりとが遠のくなかで
   タナトスののろいを耳にするとき
     ---それはうわごとではない
     こんじきの四次元にむかって
 よどんだ血がひろげる声紋なのである
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