『赤子の見る夢』/
 
ふと目が覚める
私は生温い液体の中にいる
不思議と呼吸は苦しくない
むしろ心地よい感触

空間は思ったほど狭くなく
壁と思しき部分は脈打っている
暗くもなく明るくもない
なんとも言えない安らぎ

あぁ、また眠くなる

眠りに落ちると決まって一人の女性が手招きしている夢を見る

強い逆光で
眩しくて顔はよく見えないけど
私はその人にいつか会いに行かなくちゃならない
そんな気がしている


ふと目が覚める
私は世界の始まりを知る

見下ろせば
会いたかったあなたがいる
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